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PDF墨消しチェッカー

PDF黒塗り漏えい事例

黒塗りの不備による個人情報漏えいは、特定の組織の不注意ではなく、PDF の仕組みに由来する構造的な問題として繰り返し起きています。ここでは公表された事案を、再発防止の観点から整理します。

なぜ起きるのか

紙の書類にマジックで塗れば、その下の文字は物理的に消えます。 しかし PDF で黒い四角形を重ねても、それは文字の上に図形を一枚置いただけで、文字データはファイルの中に残ったままです。 コピー&ペースト、全文検索、テキスト抽出のいずれでも読み取れてしまいます。

画面上は完全に隠れて見えるため、作成者にも決裁者にも異常が見えません。 これが「確認したのに漏れる」構造です。

公表された事案

一次情報または報道で確認できたものを掲載しています。

宮城県 大崎市

自治体2025年12月27日 公表

情報公開で提供した PDF の黒塗りが、特定の操作により除去可能な状態だった。

情報公開により提供した一部の PDF ファイルにおいて、個人情報保護のため設定した黒塗り加工が、特定の操作を行うことにより除去可能であることが判明した。情報提供のあった 1 件のほか、可能性のあるものが 2 件確認されている。市は今後、適切な事務手続きの徹底を図り再発防止に努めるとしている。

技術的な原因
黒塗り加工が「除去可能」な形で施されていた(テキスト層が残存)。

大分大学

大学2023年2月 公表

外部機関に提出した資料の黒塗りが不十分で、編集機能により文字データを取得できる状態だった。

外部機関に提出した資料の黒塗り処理が不適切で、PDF ソフトの編集機能などで文字データが取得できる状態になっていた。対象は学生 62 人、教職員 170 人、学外者 24 人の氏名・所属・学籍番号・学位・インターンシップ先企業名など。当該データはその状態のまま、提供先機関のウェブサイトで公開されていた。

技術的な原因
黒い図形を重ねただけで、下のテキストが削除されていなかった。

その他に報じられている組織

千葉県 木更津市、愛知県 豊田市、兵庫県、新潟大学、琉球大学など、同種の事案が複数報じられています。当サイトでは個別の一次情報を確認できていないため 概要の掲載にとどめます。時系列で網羅的に追う場合は、以下のまとめが参考になります。

ミタスサポート事務所 — PDFマスキング失敗による個人情報漏えい事例まとめ(随時更新)

事例に共通する点

  • 発見は外部からの指摘が多い。自主点検ではなく、閲覧者や他機関からの連絡で判明している。内部の確認手順では検出できていない。
  • 公開状態が長期間続く。画面上は正常に見えるため、掲載後に誰も異常に気づかない。
  • 担当者の不注意ではなく手順の問題。「黒く塗る」という作業自体は正しく行われている。塗り方が PDF では通用しないだけで、 個人の注意力では防げない。

手元のファイルを確認する

公開済み・提出済みの PDF が同じ状態になっていないか、その場で診断できます。 ファイルはブラウザ内だけで処理され、サーバーには送信されません。